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2014/03/18

TOHOシネマズ学生映画祭/夢のあとさき

 バキです、また東京行ってきました。東京好き過ぎるやろ!とお思いかもしれませんが東京でしかやってない映画多すぎるよ……。いろいろ観たのでそのうち印象に残ったものなど書きます。


アニスタオールナイトの話

 今回は池袋の新文芸坐でのアニメのオールナイト企画に参加するべく東京へ向かいました。この記事でそんなに語るつもりはありませんが、一応書いておくと上映作品は以下の4つ。
・「サカサマのパテマ」(2013/アスミック・エース/DCP)監督・原作・脚本:吉浦康裕 声:藤井ゆきよ
・「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」(2013/ショウゲート/DCP)監督:安藤真裕
・「ハル」(2013/松竹/DCP)監督:牧原亮太郎 キャラクター原案:咲坂伊緒 声:細谷佳正、日笠陽子
・「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」(2013/ティ・ジョイ/DCP)監督:平尾隆之 声:諸星すみれ
 僕はこのうち「花咲くいろは」だけ観てて、その他の作品は気になってて見ずにいた作品でした。それと「サカサマのパテマ」が作品の性質上劇場向きのアニメだったこともあって行くことにしたのです。個人的にパテマとヨヨネネが無茶苦茶面白かったです。
 パテマは映像がフシギで面白かったのと、空間の背景美術や建物のデザインが良かったのでそういうのが好きな人は楽しめそう。あとむちゃくちゃ複雑な設定が練りこまれてて気持ちよかったです。なのにストーリーラインがシンプル、というのがまた卓越したセンスを感じさせる。吉浦監督とアニメスタイル編集長とのトークショーもあってそれがまた楽しかった。若い監督さんでした。今後も楽しみです。
 ヨヨネネはもうアニメ好きにはたまらない映像。「原画」がいいアニメは数あれど、「動画」がいいアニメはなかなかない。本作がそれだ! 話もファンタジーのようでいてそうでもなかったり、家族で見て欲しいような心あたたまる展開もあり、もっとみんなに観てほしいなと思いました。このオールナイトでは一番の推し作品。観よう!

 ※通常のアニメにおいては一秒間に20~30枚程度の絵がパラパラ漫画のように流れます。その絵を2つに分けると原画と動画です。「原画」というのは動きの基本となる絵のことです。例えばA君がB君を殴るシーンがあったとして、殴る動作に入った瞬間の一枚と、殴る瞬間の一枚、それが原画。「動画」はそれら原画と原画の間を埋める絵のことです。多くのアニメ制作の現場においてスケジュールは常に綱渡りなのですが、そうやって出た遅れのしわ寄せが出やすいのが「動画」の工程なのです。「原画さえうまくやっとけばそれなりに見えるだろう」という考え方です。それも一つのやり方なのかもしれませんが。とにかく、動画がいいアニメにはそれだけ映像に対するこだわりがあるのです。

「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」の話


 観ました。底抜けのお人好しだけど冴えない童貞がオタクこじらせてヒーローになる!という前作「キック・アス」の続編に当たります。面白かったです。……が、言いたいことがいろいろありすぎて大変です。ネタバレもしたくないのでどうしたものか。


 ……20行くらいネタバレしないように気をつけつつ感想書いてましたがやっぱり消しました。まだ観てない人のことを考えると感想書きづらいなと思ってしまいました。

 とりあえず言っておきたいのは、「前作のファンは観に行け!」ということ。これはまあ当然だよね?
 それと、「前作知らずに観に行くな!」です。前作知らないと、良さが70%くらい伝わらないと思います。観てない人は必ずどっかで借りてくるなりして前作を予習してから映画館に観に行きましょう。
ヒット・ガール役のクロエちゃんむっちゃkawaii
ロリロリしてた前作もたまらんかったが
大人っぽくなった今回もどちゃかわですわ
唇を指でなぞりたい……

TOHOシネマズ学生映画祭の話

 行きました。めちゃくちゃ面白かったです。予算が凄そうなものもあれば低予算感あふれたものもあり、また一つのテーマを与えられても人によって全然異なるアプローチの作品になっていたり、いろいろと発見がありました。純粋に作品が面白くて良かったです。今回はじめて学生映画祭に行ったのですが今後も行けたら行きたいぜ。
 なにせタダだし。若い才能ピチピチだし。モチベーション上がるし!

 個人的に一番ビクンビクンしたのが田村凌一監督のショートフィルム「甘い麦茶」でした。


 
がんばって本編の動画がネットにないか探しましたが予告編しか見つかりませんでした……。
 何気ない日々の中ふと昔のことを思い出すことがあると思います。暑い夏の日。可南子が買い物から帰ってくると家に元恋人千葉の姿、可南子は驚くどころかその場になじんでいる千葉の姿に可南子も自然と昔のようにふれあう。しかし、時は流れて昔とは変わってしまっている繋がりや今が二人の関係を現実へと引き戻してしまう。二人の再会の一時を暖かく描きました。(監督)
らしい。
 予告編でもわかると思いますが映像が綺麗です。きれいな色合い。
 あと、女の子がむちゃくちゃかわいい……! これずるくね? アリなの? TOKYOの大学生怖い。
 個人的には脚本がとてもよかったと思います。予告編にはセリフが流れませんが、セリフの間とか、空気感とか、言葉の一つ一つにセンスが光っていました。
 
 あと二羽恵太監督「夢」って作品が完成度むっちゃ高くて感動しました。

 ここで紹介しても今後どこかで観られる機会ってほとんどねーんだろうな、哀しきかな。

 みんなも行こうよ学生映画祭! というか出品しようぜ!

映画「5つ数えれば君の夢」の話


 みんな知ってるかい、日本映画界最注目、山戸結希監督の映画「5つ数えれば君の夢」。
 これまで山戸監督は東京学生映画祭だとかぴあフィルムフェスティバルなどで賞をとり様々な方面から評価されてきて、今回が監督の記念すべき商業映画デビュー作。なんと人気アイドルグループ「東京女子流」のメンバー5人が主演です。

 山戸結希監督の映画はTwitterでよく話題にのぼってて感想なんかをたくさん見かけていたのだけれど、やっと今回監督の作品を初めて観ることができました。とんでもない映画でした。

りこ役の新井ひとみちゃん。かわいい。
あと制服のデザインもかわいいのです。
セーラー服は鎖骨まるみえなのがエロいな
話の大筋は簡単で、文化祭を間近に控えた女子校を舞台に、5人の少女たち全員が主役となるエピソードが描かれます。

 憧憬、焦燥、衝動……
 様々な情景に彩られ翻弄される少女たちのかけがえのない日々。

 少女たちのきらめきと葛藤が、詩的な映像表現によって繊細に紡がれた映画でした。

体育館

とにかく女の子がかわいいです。そして、話は単純ながらひとりひとりの人物に対する掘り下げが深く、一つ一つの言葉に重みを感じました。「ただのアイドル映画でしょ?」って言いたいそこのアナタ、僕は全力で「NO!!!!!」と叫びますよ。そりゃ東京女子流のみんなは演技に関しては素人だし決して上手くはない。しかしそれぞれがキャラクターにハマりきっているし、それぞれが本当に鮮烈な印象を残していく。ちゃんと「全員が主人公」なんですよ。
 そしてそして、映像がむちゃくちゃ綺麗……。体育館いっぱいにスモークを炊いて描かれたラストシーンではもう鳥肌の連続です。岩井俊二監督の「リリィ・シュシュのすべて」を彷彿とさせました。
 最後のセリフでぼくはもう鳥肌が頭のてっぺんから吹き出しました。おかしな言い回しですが、本当にそんな感覚になったのです。理屈ではない、突き抜けるような感動がありました。

 もちろん粗い部分や薄い部分もたくさんあるし、舞台だって女子校っていう閉鎖的な箱庭でしかないけれど、それすらキラキラしてみえるんだから、ずるいよなあ……。
 僕はもう完全に山戸結希監督フォロワーです。今度は女の子だけじゃなくてもっと広がりのある世界を描いた作品も観てみたいナ。

 これ観たら一発で女子流ちゃん好きになりますよ。主題歌の「月の気まぐれ」も名曲でした。こんど借りてくる。

関係ないけどこの曲たぶんNHK「みんなのうた」の「月のワルツ」のオマージュですな。

 この映画「5つ数えれば君の夢」は新宿のシネマライズほか全国9館で上映中または上映決定しています! 今はシネマライズのみの上映みたいです。ぜひ観に行きましょう!!!
 ちなみにシネマライズではスクリーンがわりと高い位置にあるので前の席に座ると見上げて首が疲れちゃうかも。後方の座席をおすすめします。もし二階席が開放されている場合は二回席の最前列を取るといいです!

 うおー! 青春青春ダーッ!

映画「5つ数えれば君の夢」公式サイト


参考記事
ナタリー - [Power Push] 映画「5つ数えれば君の夢」特集 (4/4)

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